『リコリスリコイル』は、『がっこうぐらし！』のようなアクション満載の日常系アニメです。

可愛らしいカフェの女の子たちが、銃を振りかざすエージェントとして活躍するアクション満載の日常系アニメ。

一見すると、『リコリスリコイル』は、カフェで働く2人組の女の子がさまざまな奇妙な用事をこなす、かわいらしい日常系アニメのように見えます。
公式予告編を見る限り、『ブレンド・S』や『ご注文はうさぎですか？』を思い起こさせるような日常アニメにしか見えないです。
しかし、『リコリスリコイル』の第1話を見た人なら誰でも、この2022年夏アニメには見た目以上のアクションと陰謀が詰まっていることを知るでしょう。

原作となるマンガやライトノベルがないため、このオリジナルアニメは予告編で視聴者を（アニメが日常系だと）誤解させるのは簡単なことでした。
冒頭、軽快な音楽と日本の伝統的なカフェの映像が流れます。カフェの制服を着たキャラクターたちが登場し、『リコリスリコイル』で出会うさまざまなキャラクターが紹介されます。
快活でポスターのセンターに描かれている千束（ちさと）や冷静沈着な新人たきななどです。
また、カフェで働く彼女たちの様々な仕事ぶりを紹介し、彼女たちが直面するおちゃめなシチュエーションを描写しています。予告編を見る限り、『リコリスリコイル』は軽快で快適な日常系アニメに仕上がっているように一見見えます。

予告編では、可愛らしいカフェの物語に視聴者の期待が高まりますが、第1話の冒頭数分は、より強烈なトーンに仕上がっています。１話は、テレビから流れるニュースをバックグランドに穏やかな朝のシーンで始まります。
しかし、”先生 “からの緊急連絡を受けた千束がバイクで東京の街に繰り出すと、千束のモノローグの背景で、銃やナイフを持った女子高生たちが犯罪者を倒しているという驚くべき出来事が起きていることに視聴者は気づきます。
千束と同じ制服を着た女子高生が実行者であることから、視聴者はこの作品が、若い女性暗殺者の秘密組織のアクションアニメであることに気づきます。

『リコリスリコイル』の激しさはすぐにシリーズの中心を占め、少なくとも最初の3話に関しては、アクションがより支配的なジャンルとなっています。
第1話では、楽観的な敏腕エージェント千束と、最近降格したシリアスな殺し屋たきなを正式に紹介するとともに、千束とたきなの最初の任務を通して、この作品の骨太さを強調しています。
彼女らの最初の任務は、自撮り写真の背景に、知らずして武器取引の様子が写ってしまった女性の保護です。その女性が誘拐された後、千束とたきなは、救出劇から銃撃戦へと発展し、その間、身のこなしの滑らかな戦闘技術を印象的に披露します。
カーチェイスシーンや銃撃戦が満載の第2話では、トップハッカーのウォルナットが別のハッカーと殺し屋グループに狙われる中、国外逃亡を手助けするというミッションがあり、ここでもシリーズの気骨のある方向性を示しています。

第3話では、任務とは別に、若い女性工作員を育成・雇用する中央機関「DA」の全貌が描かれました。千束がたきなを連れ、健康診断と体力測定のためにDA本部に戻ってきます。千束の健康診断とたきなの降格（を取り消す）交渉の中、二人はたきなの元相棒のフキとたきなの後釜との模擬戦に引きずり込まれます。
このようなアクションを中心としたプロットにより、『リコリスリコイル』の最初の3話は、このシリーズが通常の日常系アニメよりもはるかにスリリングなものになることを証明しました。

明るい日常系アニメのトーンと、よりハードなプロットを組み合わせたアニメは、『リコリスリコイル』が初めてではありません。2015年の日常系アニメ『がっこうぐらし！』は、まず、”学園生活部 “に参加する4人の女子高生とその犬を描く、超キュートなアニメに見えます。
明るい主題歌、カラフルな画風、愛らしいおっちょこちょいな主役のおかげで、このシリーズはありふれた日常生活描写と間違われやすいです。

しかし、『リコリスリコイル』と同様、その裏にはもっと邪悪な企みが隠されていました。主人公のゆきが知らないうちに、ゆきと部員たちはゾンビが蔓延る終末的世界の中で生活していたのです。シリーズを通して、ゆきの誤った世界認識が際立つ一方で、そのゆきが厳しい現実から3人の仲間に守られる様が、よりダークな色合いを帯びていました。
このアニメの日常系トーンと邪悪なプロットの間の並置は、トラウマ、道徳、サバイバルなどの深刻なテーマを探ることを可能にしました。

『リコリスリコイル』の物語が進めば、今後も日常的な描写と激しい展開、そしてその対比によって描かれるテーマがより深くなることが期待されます。
『リコリスリコイル』や『がっこうぐらし！』などのアニメが好きな視聴者は、『ひぐらしのなく頃に』もチェックしてみてください。カラフルな面を持つホラーアニメです。
また、最近の作品では、スパイと暗殺者、そしてその愛らしい家族のスリリングな物語である『スパイ×ファミリー』もあります。