禁酒法時代の犯罪と超常現象のスリルを独創的に融合させた『バッカーノ!』は印象的ですが、見るべきアニメの定番として、その他にどんな要素があるでしょうか。
これだけ多くのアニメシリーズがあり、毎シーズン新しい作品が登場すると、どれを見るべきかを決めるのはかなり難しく感じるかもしれません。
しかし、年代を問わず、どんなファンにも受け入れられる魅力的な作品があります。
止まることないエンターテイメントを求めるアニメファンにとって、『バッカーノ!』は見逃せない作品です。
2007年に放送されたこのアニメは、たった16話しかありませんが、冒険、犯罪、超常現象が織りなす印象的な展開に、ファンは一瞬にして魅了されることでしょう。
『バッカーノ!』は、現実とは別のアメリカではありますが、禁酒法時代の1930年代初頭を主な舞台としています。
このアニメは、一見つながりのないように見える登場人物とその視点を行き来させながら、(異なる)時系列の出来事を少しづつ紐解いて行き、やがて全員の物語が重なり合うという、時系列的には直線でないストーリーテリングの手法をとっています。
不老不死の薬を酒と間違え、列車を乗っ取り、マフィアの縄張り争いが起こるなど、視聴者を飽きさせない展開が待っており、一見すると事態の収拾がつかなくなるように見えて、それぞれの出来事がやがて一本の道にクロスしてゆくのです。
アニメの原作は、成田 良悟氏原作、エナミ カツミ氏イラストのライトノベルシリーズ全22巻です。2003年に第1作が、2016年に最新作が発売され、2016年から北米での出版はYen Pressが担当しました。
その根強い人気から、その後、アニメだけでなく、2つのドラマCDや2つのマンガ化もされています。マンガ化された2つはそれぞれ独立しています。
『バッカーノ!』は、超常現象と、アニメではあまり見られない時代を舞台としこれを融合させた、魅力的な作品です。
禁酒法時代の設定は、組織犯罪の歴史と、メディアで定義されるようになったクールな美学によって、すでにアクションと冒険に満ちているものですが、視点を交互に変えることで、パズルのすべてのピースが一つ一つ埋まっていくのが理解され、シリーズの緊張感を高めるのに役立っています。
パンチの効いた会話とスピード感のあるアクションで、筋書きを崩すことなく、毎回ファンを飽きさせない、非常にまとまりのあるシリーズです。このアニメは、巧妙なマフィアストーリーの雰囲気をうまく表現しながらも、このジャンルに魅力的でユニークな風を吹き込み、アニメ作品全体の中でも際立っています。
多くの混乱が起こりますが、ストーリーは決して破綻しておらず、引き締まったアニメーションは確かな視聴体験をもたらします。登場人物のデザインも、大勢のキャストがいる中、それぞれの個性が十分に発揮されているので、キャストがそれぞれ際立っていて面白いです。
視聴者は、キャスト達の個性が発展して行くのを見守りながら、急速に展開する事件の網に彼らがどう絡んでくるのか、興味を持ち続けることができます。
比較的短いアニメで、時間や視点が頻繁に入れ替わるにもかかわらず、シリーズ開始時に設定された、2世紀にわたる一連の奇妙な出来事がどのように関連しているかを明らかにするという目的は、決して失われることはありません。
登場人物の紹介や一連のやり取りは、全体の謎の解明に貢献すると同時に、複数の犯罪組織や悪魔召喚の錬金術師をめぐる二次的な物語も同様に魅力的です。『バッカーノ!』は、最初から最後まで激しく、強烈で、複数のジャンルを効果的に融合させ、記憶に残る物語を作り上げています。
世の中には数え切れないほどのアニメがありますが、その中でもアニメーション、デザイン、ストーリー、あるいはその3つの組み合わせで、どうしても際立っているシリーズがあります。
『バッカーノ!』は、ストーリーを破綻させることなく、よく知られた手法、概念を巧みにリミックスし、すべてのエピソードに途切れることのない熱狂を注入しているという点で、まさに必見のアニメです。手短に言うと、簡単に忘れることのできないスリリングな作品なのです。