ここでは、多くの否定的な批判を受けながらも、本格的な人気作品となったアニメをいくつか紹介します。
テレビ番組や映画、ビデオゲームを楽しむ際に、消費者と批評家がまったく異なる結論を出すことがあるのは、どのメディアでも同じことです。
中には、マスコミの批評家たちから低い評価を受けたにもかかわらず、人気が出て愛され、少なくともかなりのカルト的な支持を得るようになったものもあります。
その点では、アニメも同じです。そこで、様々な方面から否定的な批判を受けながらも、本格的に人気が出て成功した作品をいくつか紹介します。
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(以下『ダンまち』)はステレオタイプなファンタジーアニメ
『ダンまち』の初回放送は、予想通りの展開、退屈な主人公、女性主人公のばかばかしいキャラクターデザインなど、多くの嘲笑にさらされました。
多くの人が、このアニメは、ステレオタイプなハーレム・ファンタジーアニメに過ぎず、せいぜい1期で終わると予想していましたが、その後2期と3期が続き、今年後半には4期目が放送される予定です。
この作品は、Crunchyrollがバックアップしているモバイルゲームや、『ソード・オラトリア』というスピンオフシリーズもあります。
『ダンまち』は現在でも多くの否定的な批判を受けていますが、多くの熱狂的なファンによって支えられているのも間違いありません。
『ヘタリア Axis Powers』(以下『ヘタリア』)は時間が経つにつれてネガティブな批判が多くなった
今回のリストの他の例とは異なり、『ヘタリア』は初回放送時に非常に高い評価を受けました。批評家もファンも同様に、このアニメが面白く、機知に富み、魅力的であることに気づいたのです。
1話が5分程度と短かったことも幸いしたのでしょう。しかし、『ヘタリア』がシーズンを重ね、映画まで制作されるようになると、その温かい歓迎は影をひそめ始めました。
視聴者や批評家は、特に初期のシーズンにおいて、その硬いアニメーションなど、あまり品質の良くない特徴に気づき始めました。国を擬人化したキャラの不適切さの問題が浮上したり、特定のキャラクターの肌の色をめぐる論争が起こったりしました。
脚本は現在では、機知もそこまでではなく、それよりもさまざまな問題の方が多いとされるようになりました。しかし、このような新たな否定的な評価にもかかわらず、この番組は2021年にさらにもう1期放送されることになりました。
つまり、『ヘタリア』にはまだファンがいるのです–アニメのファン層の奥深くに埋もれてはいますが。彼らは、ただ放っておいてほしいだけなのです。
『盾の勇者の成り上がり』は、問題のある設定に満ちている
『盾の勇者の成り上がり』もまた、あまり期待できないスタートでした。あまりに多くの異世界アニメで疲れ果てたため、すでに多くの批評家がこの作品の登場を「またか」という暗然たる思いでいました。
そして作品が冤罪レイプから始まるという事実は、確かにこの作品にとって好材料ではありませんでした。さらに、それすらも不十分と言わんばかりに、メインヒロインは、主人公が文字通り買い取った奴隷だったのです。
そのため、当然のことながら、『盾の勇者の成り上がり』の第1話に対するレビューのほとんどは非常に否定的なものでした。にもかかわらず、このアニメは2期が決まり、それは2022年初めに放映されました。
また、「槍の勇者のやり直し」というスピンオフ作品(マンガ版、ラノベ版)もあり、更に『盾の勇者の成り上がり』の主人公たちはモバイルゲーム「グランドサマナーズ」に登場したり、『異世界カルテット』のキャストにも加わっています。
『無職転生』、好ましくない主人公で登場
『盾の勇者の成り上がり』の否定的な評価すらも、『無職転生』とは比べものになりません。この作品は、またしても「ファンタジー世界に転生した」異世界アニメであり、このジャンルによくあるハーレムや「俺tueee」系ファンタジーの典型ですが、それ以上のものがあったからです。
主人公を変態と言ったとしても、まだ控えめな表現のほうです。(転生前の)主人公が自分の親の葬式を欠席したのは、ネットでわいせつな画像を見ながらオナ、いや、一人悦に入っていたからなのです。
そして、新世界に生まれても記憶を失わなかった彼は、自分が子供である事をいいことに、周囲の女性たちにセクハラをするのです。その中には自分の母親や未成年の子供たちなども含まれていました。
しかしすべてのレビュアーが同意している事が1つあります。それはこの作品のアニメーションがいかに素晴らしいかということです。当然のことながら、『無職転生』も視聴者を獲得し、来年には第2期が公開されることが決定しています。