アニメファンの中には、日本語を学びたいという人も少なくないでしょう。 楽しく簡単に学習できる作品がいくつかあります。
アニメを見る人は、少なくとも、日本、ひいては日本語に少なからず興味を持った事があると言ってよいでしょう。しかし、新しい言語を学ぶのは大変なことです。
どんな言語の学習者にもお勧めのアドバイスになりますが、それは楽しく学ぼうという事です。楽しければ楽しいほど、それだけ上達も早くなります。
アニメファンには、ありがたいことに、初心者でも楽しく日本語を学べる教材となるアニメがたくさんあります。
その際、難しいのは何から手をつけたらいいのか、ということです。何しろ、たくさんのアニメがあるので、どれが一番勉強になるのか、特に初学者には判断が難しいのです。
どのアニメからも有用な語彙や文法を学ぶことは可能ですが、特定の作品が他より簡単であることは確かです。
日常系アニメと日本語学習
日本語の学習を始めるのにふさわしい素晴らしいアニメのひとつが『甘々と稲妻』(あまあまといなずま)です。2016年に公開されたこのアニメは、娘のために料理を習うシングルファーザーを描いています。
日常系アニメは、トピックが地に足の着いたもので、語彙の多くが日常会話で使われるものなので、全般的に日本語学習にかなり適しているのです。
『甘々と稲妻』が初心者向けアニメとしてユニークなのは、主人公の幼稚園児の娘である「つむぎ」というキャラクターです。語彙が少ないので理解しやすく、他の登場人物も彼女と話す際、彼女に合わせて語彙を簡略化しているので、この点も理解しやすいと思います。
シンプルで繰り返しの多い語彙が多いため、仮に初めて見る単語があっても、すぐに理解することができ、結果、多くのシーンを簡単に追う事が出来ると思います。ます。また、このアニメで、視聴者は食のボキャブラリーを学べるという点でも、非常に実用的な作品です。
他の日本語の学習に最適な、食べ物中心のアニメは、同じく2016年の『だがしかし』です。このアニメは、田舎で駄菓子屋を営む実家に住む青年が主人公です。毎回、実在する日本のお菓子を取り上げているので、文化的な使い方と言語的な使い方の両方が学べる作品です。
『だがしかし』は非常に特殊なテーマですが、理解しやすいので、日本語を学び始めたばかりの方にも役立ちます。この作品はプロットに連続性が無いため、各話フォローするのが簡単になっています。また、作品を通して核となるコンセプトが同じであるため、視聴者は繰り返し出てくる語彙に常に触れることができます。
上に挙げた2つのアニメは、日本語を学び始める人にとって非常に有益な教材ですが、少しドライに感じる人もいるかもしれません。そこで、もう少し面白いものなら、2010年に放送された職場ラブコメ『WORKING!!』を見てみるといいかもしれません。
『WORKING!!』はファミリーレストランを舞台に、色とりどりの魅力的なキャラクターが登場します。コメディアニメは、たとえ日常を描いたものであっても、日本語学習が難しい事があります。多くの作品は、ユーモアや、奇妙なギャグを日本文化に根ざしたジョークやダジャレから連想されたもので、日本人の視聴者なら頭をかすめるでしょうが、外国人には理解不能だからです。
しかし、『WORKING!!』はそのようなタイプのユーモアがあまり多くありません。結果、比較的に理解しやすく、そして楽しく見る事が出来ると思います。
アニメは日本語を学ぶための素晴らしい教材になり得ますが、それをうまく利用する鍵は、自分が見たいと興味を持っている作品を選ぶことです。確かに学習しにくいアニメもありますが、もしそれが好きなアニメであれば、日本語を学ぼうとする意欲を削がれるようなことは無いでしょう。
とても素敵な事に、一度、ある程度日本語が上手になれば、どんなアニメも日本語上達のためのリソースになりえます。やはり、どんな言語学習でも、目標を立てて、楽しいコンテンツに取り組むことが上達の鍵なのです。