アーニャの成績が悪い事によってオペレーション〈ストリクス〉は危険にさらされていまが、予防策を講じようとするトワイライトに、父親としての本能が働きます。
ーー 注意 ーー
以下、Crunchyrollで配信中の『SPY×FAMILY』1期 第18話「家庭教師の叔父/〈東雲(しののめ)〉」のネタバレを含みます。
『SPY×FAMILY』第18話では、ウェスタリスとオスタニアの平和の継続が、若きアーニャ・フォージャーの中間テストの成績にかかっている事が描かれます。
第1クールでロイドが不満に思っていた通り、第2クールでもアーニャの学力不足の傾向は今のところ続いています。
もし、アーニャが中間試験に合格できなければ、雷(トニト)と呼ばれる罰点を受けるのみならず、オペレーション〈ストリクス〉そのものが危険にさらされる可能性があるのです。
エージェント黄昏(たそがれ)の使命は、アーニャが星(ステラ)を獲得して皇帝の学徒(インペリアル・スカラー)になり、懇親会に招待されることにあります。
懇親会では、謎の多い人物ドノバン・デズモンドと相対し、ウェスタリスとオスタニア両政府の停戦状態を悪化させ、戦争に導こうとしてるデズモンドの目論見を阻止する事が、黄昏の任務です。
アーニャは懇親会への招待状を簡単に手に入れるだけの学力がないことを、これまで何度も証明してしまいました。
そこで、間近に迫った中間試験では、一つでも二つでもステラを手に入れて父親に好印象を与えるか、オペレーション〈ストリクス〉の不利益となる失敗をしてしまうのか、どちらに転がるかが見ものです。
エージェント黄昏(ロイド)はアーニャの成績を改ざんする事にした
エージェント黄昏によるオペレーション〈ストリクス〉の成功は、アーニャの成績にかかっているため、その為に彼は何でもする覚悟です。
熟練したスパイである黄昏も知らない事なのですが、実は、アーニャはテレパシー能力を使って、簡単にカンニングをすることで良い成績を取る事ができたのです。
しかし、ここにきてアーニャの能力には、大きな欠点がある事が明らかになります。アーニャの能力は月食と関係しており、新月の日には能力が全く使えなくなるのです。
アーニャの中間試験は新月に当たる事が分かり、良い成績を得るためのテレパシーに頼ることができなくなりました。こうして彼女が試験に合格するためにはロイドが何とかするしかなくなりました。
ロイド自らアーニャの家庭教師をしても、手伝いに駆け付けたヨルの弟ユーリによる家庭教師もうまくいかず、ロイドはより激しく、より好ましくない手段をとるようになります。
イーデン校では、多くの有力者が関わっていることから、生徒が学問の実力だけで判断されるべく、生徒の成績が改ざんされないよう、生徒の学業成績の管理には細心の注意を払っています。
しかし、黄昏はアーニャの成績を改ざんするために学園に潜入します。倫理的には許されざる事と分かっていても、任務の頓挫を防ぐためには、どうしても必要だったからです。
アーニャの答案を改ざんすれば、黄昏は自分の倫理観を犠牲にするだけでなく、娘の真の学問的成長をも奪ってしまうことになります。しかし黄昏は本来の目的、つまり世界平和のために、倫理的な問題には目をつぶる事にしました。
オペレーション〈ストリクス〉が失敗し、ウェスタリスとオスタニアが戦争にでもなったら、学問の尊厳性に何の意味があるのか、と黄昏は考えたのです。
黄昏は、一抹の疑問も抱くことなく、目的を遂行していました……アーニャの答案を目の当たりにして、父としての本能が芽生えるまでは。
ロイドはスパイの仕事よりも子育てを優先した
黄昏は、アーニャの答案を改ざんしないで、そのままにしておきます。テスト結果が廊下に張り出され、生徒たちがテストの点数を確認してるとき、視聴者はアーニャが驚くほど優秀な点数を獲得してたと期待したかもしれません。黄昏が改ざんしなかったのは、その必要が無かったからだと。
しかし、アーニャはギリギリで合格していました。黄昏は、アーニャが試験にパスしたのを確認後も、やろうと思えば、答案を改ざんしステラを獲得させ、オペレーション〈ストリクス〉の成功に一歩近づくことができたかもしれないのに、実際はやらなかったのです。
『SPY×FAMILY』において、ロイドがオペレーション〈ストリクス〉を優先していることには変わりません。しかしアーニャに対しては父親としての役割をより重要視していることがわかりました。アーニャが一生懸命勉強したことを認め、不正に点数を上げるのではなく、それを称えることを選択しました。
彼はたしかに彼女の低い点数にがっかりしているかもしれませんが、娘が自力で勉強したことを誇りに思っているのです。18話のロイドの行動は、彼がスパイであるのと同様に、親になりつつあることを示しています。
アーニャは中間試験でステラを取得するほどの高得点は取れなかったものの、ロイドの不正な関与なしに合格します。ロイドはその成績にがっかりしながらも、娘を誇りに思います。ロイドは敏腕スパイとして与えられた任務をこなすだけでなく、良い父親としての顔も持ち合わせつつあります。