一護は二度目の刀を失いましたが、今回は前回よりもずっとひどい状態でした。『BLEACH 千年血戦篇』 第8話では、クインシーによるソウル・ソサエティへの侵攻の余波が見られます。さっそくレビューしていきましょう。
『BLEACH 千年血戦篇』第8話 概要
『BLEACH』について、これまで語られていないことがあるでしょうか? 日本で最も人気のあるアニメの一つであり、アニメというメディアを普及させた一因として広く認識されているアニメ、ビッグスリーの一つと見なされています。
2013年に初回放送が終了し、今回、9年ぶりに復活しました。最新シーズンは、オリジナルシリーズをはじめ、『NARUTO-ナルト-』や『東京喰種 トーキョーグール』などの大作を手がけたスタジオぴえろが制作を担当しています。
『BLEACH 千年血戦篇』は、『Persona4 the Golden ANIMATION』や『双星の陰陽師』の制作に携わった田口 智久(たぐち ともひさ)氏が監督を務め、久保 帯人(くぼ たいと)氏によるマンガを原作とした『BLEACH』の最終章になります。
なお、原語では「Bleach Sennen Kessen-hen Episode 8」「Bleach TYBW Episode 8」とも表記されます。前作のレビューはこちらからどうぞ
『BLEACH 千年血戦篇』第8話レビュー ソウル・ソサエティの立て直し
戦争はひとまず終わり、本作は開始以来とは異なる種類の物語を伝えるために動き出しました。ソウル・ソサエティへの最初の攻撃による破壊と絶望から、いつもの明るく陽気なトーンへと移行するには、それは常にどこか奇妙なものとなるはずでした。
すべてを忘れてのんびり過ごすには、あまりにも多くのものが失われた今、二度と以前と同じ状態になる事はないからです。しかし、脅威はまだ背後に潜んでいます。ソウル・ソサエティを再構築する時が来たのです。
ソウル・ソサエティは、全てとは言わないまでも、その最強のファイターのほとんどを失いました。山じいは永遠にいなくなり、 白哉(びゃくや)と剣八(けんぱち)はシュテルンリッターに大敗して瀕死の重傷を負いました。
一護は剣を失い、未来は絶望的に見えました。それは前半Aパートのトーンによって非常によく伝えられました。死神たちはなんとか立ち上がり、前に進もうとしていましたが、春水(しゅんすい)のような死神がいくら努力しても、このような酷い状況から前に進むことは難しいでしょう。
しかし、すべてが失われたわけではありませんでした。これまでも、そうであったように。
神話上の存在である零番隊については、登場が予期されていた10数年前から、ちらほらと言及されていました。しかし、彼らの存在は、「なぜ戦争に関与しなかったのか」「戦時中、彼らは何をしていたのか」といった疑問を常に想起させました。
第8話は、これらの疑問すべてに、本作の伝承を満足させる形で見事に答え、零番隊を私たちがいつも想像していたような超格好いい者達に仕上げてくれました。あれほど強く、自分達の能力に自信を持っていれば、おふざけも許されるはずです。
そもそも、なぜ零番隊の話をしているのかについて言ってなかったと思いますが、それは厳密に言えばネタバレにあたるからです。しかし、彼らの話をしないと、このエピソードでは特筆すべきことは何も無いのに等しくなります。
もちろん、愛すべきキャラクター達ががより輝くことができたかもしれないシーンはありましたが、よくあることですが、これだけ多くのキャラクターが一つのエピソードに登場すると、全てを描き切るのは難しいのです。
ある者は取り残されることになり、それは誰にもどうすることもできないのです。『BLEACH 千年血戦篇』第8話は、素晴らしい物語を語りながらも、キャスト達をなんとかうまくやりくりしていたと言って良いでしょう。
しかし、このエピソードは、再建、地面からの這い上がり、そして再出発をテーマにしていました。新旧のキャラクターを数多く登場させ、新しいキャラクターを紹介し、忘れていた古いキャラクターを思い出させる、ゆっくりとした展開となりました。
この作品は常にアクションばかりというわけにはいかないので、このようなエピソードは、プロットをより確立するための中間地点として歓迎されるべきものです。今、本作は、一護とその仲間たちにとって非常に興味深い方向へと向かっており、プロットがハマれば素晴らしい視聴になるはずです。
評決
BLEACH 千年血戦篇』第8話は、まさに期待通りでした。ソウル・ソサエティにとって新たなスタートであり、その勢力を再構築するものでありました。多くの新キャラクターとコンセプトを導入し、同時に旧キャラクターへのオマージュを捧げました。
全体 4.0/5.0