『冰剣の魔術師』の第1話には、レイ=ホワイトのトラウマとなる過去の悩みと、アーノルド魔術学院に入学したと思ったら、いきなりトラブルに巻き込まれそうな現在の悩みが、ぎっしりと詰まっています。
ーー 注意 ーー
以下、クランチロールで配信中の『冰剣の魔術師が世界を統べる』第1話「世界最強の魔術師である少年は、魔術学院に入学する」のネタバレを含みます。
『トモちゃんは女の子!』『スパイ教室』『氷属性男子とクールな同僚女子』など、新しいエキサイティングな作品が発表され、2023年冬アニメシーズンが正式にスタートしました。
もちろん、『文豪ストレイドッグス』や『ダンまち』など、待望の続編作も目白押しです。
そんな中、『冰剣の魔術師が世界を統べる(冰剣の魔術師)』の初回放送は、主人公に関する詳細があまりに多かったので、いくつかは、驚くほど簡単に見落としてしまうほどでした。
レイ=ホワイトは新しい学校に入学する前にどのような生活を送っていたのでしょうか? そして入学してすぐに遭遇した揉め事にどのように対処するつもりなのでしょうか?
第1話は、この新しくドラマチックなファンタジーアニメを楽しむために、ファンが知っておくべき知識の土台を、しっかり築いた回になっています。
レイ=ホワイトは、トラウマな過去を持つ
『冰剣の魔術師』は、オープニングの直前にレイの人生における血なまぐさいトラウマ的な出来事をファンに垣間見せるところから始まります。
そのシーンは、幼いレイと他のキャラクターが、まだ素性が明かされていないものの、レイにとって愛すべき2人の人物を失い、悲嘆に暮れるという悲劇的で衝撃的なシーンでした。
これにより、このアニメがシリアスなトーンを持つことが、非常に早い段階で決定づけられました。
同時に、レイが「オーバーヒート」し、彼の周りで魔法が大爆発することで、彼がとてつもなく驚くべき力を持っている事も示しました。
このオープニングは確かにインパクトがあり、Sizukが歌うハイテンションなオープニングテーマ曲「Dystopia」と完璧に調和しています。
この感情的な導入部から、ファンはレイがかつて子供兵士として、どこかの戦争に参加し、彼の人生において重要な人物2人を悲劇的に失ったことを知ります。
このエピソードを通して、悲惨な戦争と彼の性格に染み付いた兵士の習慣が、フラッシュバックとして何度か描かれ、その戦争がレイにとって人生を変える出来事であり、現在でも、いまだに立ち直り切れてないことが示唆されます。
アーノルド魔術学院においては貴族が絶対的優位
魔術師の名門校アーノルド魔術学院に入学して間もなく、レイは残念ながら、貴族の生徒たちからかなり酷い差別を受ける事になります。
特に貴族であるアルバート=アリウムは、レイが初のそして唯一の平民(彼らは「オーディナリー」と呼ぶ)出身の入学者であったので、レイに激しい態度で臨んできました。
今のところ、生徒の大半は、エリート魔術師のための名声ある学院での彼の存在に反対していることが示されており、レイはすぐに「枯れた(Withered)」というあだ名を付けられます。
これは、一見すると、レイの魔法能力が弱く、欠けているように見えることから、似た響きの「魔法使い(wizard)」を模して、アリウムが言葉遊びで作ったものです。それでもレイは動じず、周囲に親切丁寧な態度を示し続けています。
授業中に行われた模擬戦では、わずかな動きしかしないレイに何もできず適当にあしらわれ、アリウムのレイへの憎悪はますます強くなります。アリウムは、レイのことを「学園の名に泥を塗る、追い出すべき存在」と見なしていたからです。
こうしてアリウムは、レイが普通の学園生活を送るために最初に立ち向かうべき悪役として、急速にその役割を確立しました。ちなみに、レイは自分が冰剣の魔術師であることを隠しています。
友情と絆
アリウムたちの極端な貴族至上主義に直面する中、レイは貴族の中にも何人かの友人を作ることに成功します。最初に出会った仲間は、国でも三本の指に入る名門貴族の娘、アメリア=ローズです。
彼女はアリウムの偏見からレイを守り、彼が不当な差別を受けていることを良くないと考えます。アメリアは、平民でありながら学園に通うだけの実力があると判断したレイを褒め、顔をしかめる貴族の生徒の前でレイと普通に会話し、レイにとって学園での最初の友人となります。
第1話でレイが仲良くなったもう一人のキャラクターは、エリサ=グリフィスというハーフエルフです。レイが魔術研究の第一人者であるエインズワース博士のファンだと知り、これを喜ぶエリサは、本好きの性格で引っ込み思案ではありますが、レイに心を開いていきます。
自分で不安を感じていたハーフエルフという外見を、レイが受け入れてくれたことで、エリサはアメリアと一緒にレイの友達になり、その輪を広げていきます。
アメリアとエリサのほか、筋トレで肉体を鍛え上げる事でレイと意気投合した脳筋のエヴィ=アームストロング、同じく三大貴族の一人である優美なレベッカ=ブラッドリィ、ツインテールが大好きな愛らしいクラリス=クリーヴランドなど、レイは様々な友人と出会います。
このように、彼らのオーディナリーに対する偏見のなさと、レイのクールで紳士的な性格のおかげで、生徒と教師の両方からレイに対して好感を抱くものが数人現れます。その中には、学院の校長で戦時中にレイのパーティに参加していたアビー=ガーネットもいました。
『冰剣の魔術師』の初回エピソードは、次回のエピソード公開までにファンが知っておくべき詳細や、レイの冰剣の魔術師としての謎に満ちた悲劇的な過去が満載で、きっと印象的なものとなったことでしょう。
この作品は、ファンタジーの熱狂的なファンにとって、今シーズンのヒット作となるに違いありません。