長瀞 早瀬（ながとろ はやせ）は、おちゃらけているようでいて、実は恋愛に弱く、不安を抱えていることが明らかになりました。
ーー 注意 ーー
以下、Crunchyrollで配信中の『イジらないで、長瀞さん 2nd Attack』第1話「センパイと私の仲なんスから～」のネタバレを含んでいます。
2023年冬アニメシーズン、本作は１期が終わった直後からの話のスタートで、また悪ふざけの楽しみを提供します。
『イジらないで、長瀞さん 2nd Attack』は、早瀬が好きな八王子 直人（はちおうじ なおと）を困らせるという、１期とほぼ同じ展開になります。
しかし第1話を見ると、早瀬が心の底では妙に弱いということを視聴者に知らしめる内容になっています。
２期、第１話は、他の『長瀞さん！』エピソードと同様に、ベタなラブコメのスキット集で、これらのシーンは、早瀬と直人の関係の重要なテーマを再び確立するのに役立っています。
早瀬の隠された不安や、内気なセンパイとの関係など、高校時代のおふざけには驚くほど感情的な深みがあリます。
長瀞 早瀬のイジリが、またもや自らに跳ね返ってくる
『長瀞さん！』で繰り返し描かれているのが、早瀬の悪ふざけた性格と自信満々な性格が、センパイをイジリ倒す際、場合によって自滅しがちで、そのことに彼女は気づいていないということです。
また、直人や友人たちが思っている以上に、彼女は不安を抱えています。２期第1話では、レストランのシーンでこのことが描かれています。
長瀞フレンズが、寿司ネタの組み合わせを即席で試すのですが、早瀬だけが魚の妊娠をテーマにした悪趣味で奇妙なものを思いつき、友人たちはドン引きした後、それを嘲笑します。
早瀬はそのことでひどく落ち込みますが、直人が彼女の助けに入り、場の雰囲気が収まります。
場面変わって、タイツのシーンでも同じことが起こります。早瀬が直人に新しいタイツを履かせてくれるよう頼みますが、途中、早瀬が恥ずかしがって、結局自分で履いてしまいます。
早瀬は、直人や他の生徒をイジっていても、本当のサディスティックなデレではないし、相手をからかって困らせて愛情を示すヒヤカスデレですらありません。早瀬は、表向きはヒヤカスデレですが、自分と直人に対する本音は違います。
早瀬がこのようなことをするのは、彼女の性格からではなく、彼女自身よくわかっていない混乱した強い恋愛感情を処理するためであり、それらを表現すると同時に隠しているのです。
早瀬は、自分が魅力的でなく、直人にとってふさわしくないのではと恐れ、友人が直人を口説いた出来事も含めて、ほとんど全てのことに信じられないほどの脅威を感じているかもしれません。
早瀬は、自分の本当の気持ちや自分の価値に自信がなく、恥ずかしがり屋で、あるレベルではダンデレ要素を持っているかもしれず、それがすべてを変えてしまいます。
ダンデレが、強気な顔をするとき
早瀬は『古見さんは、コミュ症です。』の古見 硝子（こみ しょうこ）や『五等分の花嫁』の中野 三玖（なかの みく）のような真のダンデレではありませんが、早瀬のような部分的ダンデレ少女は、強気な表情を浮かべ、その外向的な性格を活かして、ヒヤカスデレのように人をイジリ遊ぶことで、内に秘めた圧倒的な感情を処理していることが、２期第1話で示されています。
２期第1話の冒頭では、（直人が読んでいた）少女マンガのヒロインであるアイという少女が、最初は気の強い生徒会長の前でおずおずと委縮し、真のダンデレを演じているシーンさえあります。そして、いったん、怖い会長の弱みを握ると、すぐにヒヤカスデレになり、会長より優位に立ち、その事に恍惚さを感じてます。
この少女マンガのシーンは、直人が架空の生徒会長と違って真のダンデレであることを除けば、早瀬と直人の関係を明確に比喩化したものです。
早瀬は、外見と内面が全く対照的で、外側の人格が内側の人格を補っているため、明確にどの「デレ」の原型にも当てはまりません。早瀬はダンデレのように振る舞わなくても、弱さや不安を感じており、直人が良いところを見せるとすぐに照れてしまいます。
他のダンデレと同じように、恋愛や親密な関係になりそうになると、すぐに自己崩壊してしまい、そっぽを向いたり逃げたりしてしまいます。外見は古見 硝子や中野 三玖とは全く違いますが、心の中では彼女たちと相通じるところがあり、自分の恋する相手に、本心を見せないことがどんなことかを理解しているのです。
 |
 |
 |
 |
