温泉回エピソードは、アニメではよくある事ですが、ファンサービスだけが目的ではありません。
アニメでよく目にするものといえば、「お約束」と「ファンサービス」でしょう。
もちろん、この2つはよく一緒に出てくるもので、ファンサービスの可能性を秘めた場所を舞台にしたエピソードという形で出てきます。例えば、有名な海水浴エピソードのように。
しかし、ジャンルを問わずよく見られるお約束的イベントが、もう一つあります。「温泉回」です。
『ワンピース』や『僕のヒーローアカデミア』のような少年バトルもの、『小林さんちのメイドラゴン』のようなふわふわした日常ものなど、皆さんの好きなアニメが温泉回という誘惑に負けなかったためしは無いでしょう。
半裸のキャラクターがたくさん出てくるというのは、人を惹きつける引力として使われるのは、容易に理解できることですが、実は日本の様々なメディアにこの温泉回が登場します。
それほど魅力的だとするならば、ファンサービス以外に、何か特別な背景はあるのでしょうか?
(温泉では)男女が分かれており、登場人物の振り返りや相互理解に利用される
よくある光景です。女子が女性専用の温泉に入っていと、偶然にも(あるいは故意に)、男の子や男の子たちのグループが彼女たちに出くわします。続いて、羞恥、混乱、暴力が起きます。
これは多くの温泉回で見られるギャグの一つで、多くの視聴者は目を丸くするかもしれませんが、温泉という舞台の貴重な特徴である、男性と女性のキャラクターが自然に分かれるということを表しています。
温泉は男女別に分かれているため、男女のキャラクターが別々にグループ分けされ、そこで現在の考えや感情を表現することができるのです。
この区分はしばしば喜劇的な目的で利用されますが、恋愛事や最近の出来事について話し合うなど、同性の登場人物同士がより真剣に、親密な時間を過ごすために利用されることもあります。
例えば、『新世紀エヴァンゲリオン』では、ミサトとアスカの会話を円滑にするために、温泉のエピソードを使い、ミサトの過去についてより詳しく明らかにしています。
温泉という自然な環境は、このような微妙なキャラクターのやり取りをするのに適しているのです。
登場人物の集まりに輝きの時間を
入浴は、物語や喜劇の要素を超えて、日本文化の大きな部分を占めています。多くの人が銭湯に通い、温泉には多くの健康的効能があるとされています。海水浴場が集団で楽しく過ごす場所であるように、温泉も修学旅行や旅行で訪れるのが一般的です。
アニメに温泉が登場するのは、ファンサービスの一環であると同時に、現実を反映したものでもありますす。登場人物たちが「ちょっと気分を変えたい」「いいところで休日を過ごしたい」と思えば、温泉は自然な選択なのです。
また、温泉は集団で行く場所でもあり、アニメではキャスト全員が行く可能性が高いです。そのため、キャラクター同士の掛け合いや、キャスト全員のコミカルなやり取りなど、温泉という環境ならではの行動やリアクションをとることができます。
例えば、OVAの『モブサイコ100』では、モブ、律、テルの3人がのんびり過ごす温泉街と、霊幻が閉じ込められた無限軌道列車の対比が面白いです。
温泉回では、登場人物たちがくつろぎ、笑いを共有し、視聴者にちょっとしたファンサービスを与えることが一度にでき、意外に万能な場所なのです。
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