第2話「魔法学校の禁忌(タブー)」では、ついに紅魔族の少女たちが動きます。
以下の内容は、現在、Crunchyrollで配信中の『この素晴らしい世界に爆焔を!』1期2話のネタバレを含みます。
めぐみんは、すべてを計画しています。世界征服を夢見る彼女は、そのための有効な道具を手に入れ、あとはその使い方を学ぶだけ。
地元の魔法学校に入学すれば、爆裂魔法のエキスパートになれるかもしれない、少なくとも彼女は、そう思っていました。
しかし、魔法学園レッドプリズンの教育システムは明らかに歪んでおり、志望する魔法使いに効果的な魔法の使い方を教えることを優先していないことは明らかです。
めぐみんの受ける教育は口先だけのもので、行動は伴っていませんでしたが、今回ついに、めぐみんとクラスメートは力の味を知ることになります。
中二病が優先、実力は後回し
紅魔族が一目でわかるのは、その血のように赤い瞳と魔術の愛好家であることだけではありません。奇抜で、芝居がかっていて、いかにも中二病という特徴から、紅魔族を選び出すことができます。
能力の極めて高い魔法使いであることは確かに利点がありますが、このイカれた一族は、いかにカッコよく見えるかを、より重視しているのです!
実際に魔法が必要なシーンでも、実用的な魔法を使うよりも、それなりの気品やセンスを身に纏うことがより重要とされ、ぷっちん(先生)は入学したばかりで学習意欲旺盛なめぐみん達にこのことをはっきりと教えています。
ぷっちんの典型的な授業はこんな感じです:
「あるえ、紅魔族にとって、文法や語彙をなぜ学習するのか? 答えよ」
「”爆裂魔法の使い手”のような変な異名が出るのを防ぐためと、戦いの前に面白い口上を披露し、ムードを盛り上げるためです。」
「正解。あるえに百点!」
めぐみんは、レッドプリズンの授業では、魔法を使ったり、潜在能力を高めたりすることはほとんどなく、ただひたすら実用性に欠けることをやらされるだけでした。例えると、浜辺でサーフィンの練習をしても、実際に海に入ることはしないようなもの。
気の利いた自己紹介をしながら完璧なポーズをとること以外での、彼女たちのこれまでの最大の課題といえば、いきり立った花の一群を一網打尽に捕らえることだけでした。
このままでは、めぐみんは(小さいときに出合った)謎の魔法使いの域に達し、世界征服の夢を実現することは到底できません。
めぐみんは生まれながらの中二病ですが、皆が注目しがちなのは、あるえです。あるえは基本的なものをすべてカバーした完璧な生徒です(特に重要なのが爆裂魔法というネタ魔法にとらわれていない点です)。
あるえは、飄々としていながら魅力的で、スタイリッシュで、自信に満ちていて、油断がありません。そして言うまでもなく、彼女はいつも完璧な一発芸をバックポケットに忍ばせています。
だから、あるえは、クラスでは成績的に3番手なのに、中二病的な勘が冴え渡り、感心した大人たちに特に大ウケし、先生から高得点をもらう事があります。
めぐみんとは直接のライバルであるにもかかわらず、あるえはこの小さな大魔法使い志願者とコンビを組んで、クラスで初めての実地訓練に臨むことになります。
紅魔族の「養殖」
ぷっちんは、成果の少なそうな授業をのらりくらりとこなし、全てが比較的平和であることから危機感もなかったのか、気合を入れて争いの準備をするのはエネルギーの無駄遣いと思っていたようです。
しかし、思いがけず邪神の墓のバリアが弱くなり、不吉な手が村に伸びてきてしまいます。モンスターが猛烈な勢いで迫ってくるので、めぐみんたちは素早く行動を開始しなければならなくなります。
しかし、未熟な彼女たちが、こんな短期間でモンスターに対処すべく、きちんと振る舞うことができるのでしょうか? もちろん、できますとも。ズルをすれば!
ぷっちんは、進歩のためにズルすることは、何の問題も無いと考えていたようです。比較的無防備なモンスターを弱らせ、氷で包んでその場に身動きが取れないようにした後で、ぷっちんは、恥じることなく、冷酷にも、生徒たちにモンスターを屠るように促します。
汗をかくことも無く、抵抗されることも無く、成功が約束されたも同然! このエピソードは、「魔法学校の禁忌(タブー)」と題されているにもかかわらず、この方法は一族の間で一般的に行われていることは、明らかです。
なにせ、紅魔族の「養殖」という名前さえあるくらいです。(このことは「タブー」が全く別のものを指している可能性を示唆しています。)
情け容赦のないめぐみん
爬虫類のようなモンスターなら、屠ることに躊躇しずらいかもしれませんが、多くの少女たちは可愛らしく愛嬌のあるモンスターと相対しています。予想通り、めぐみんとあるえは課題をこなすことに抵抗はなく、わずかな努力で魔法ステータスが大幅にアップする機会に大喜び。
各生徒は、精巧で特大の武器を選ぶことになります(基本的には女の子を良く見せるための小道具であり、これを見たゆんゆんは「中二病じゃないんだから」とでも言いたげにオドオドと指摘します)。
無慈悲な感性に目覚めためぐみんは、さらなる犠牲者を求めて飛び回る一方、ゆんゆん、ふにふら、どどんこ、その他の生徒は、自らの道徳観に心が締め付けられます。
めぐみんは可愛く見えるモンスターにも容赦はしませんでしたが、これをもって、彼女に慈悲心がないと言うのは不当でしょう。というのも、彼女が妹のことをどれだけ大切に思っているか、妹の子猫を飼う(助ける)ためにどれほどの努力をしたかを考えると、それは明らかです。
紅魔族の「養殖」の儀式で、めぐみんはかなり好感度の下がる立場に立たされましたが、彼女の反応はむしろ、この気の強い火力魔法使いがどれほど野心家であるかを示しているだけなのです。
めぐみん「辛いですが、これも戦いに生きる紅魔族の定めです。」
彼女は幼いながらも、偉業を成し遂げるためには犠牲を払わなければならないことをよく理解しています。