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「銃を持った少女」アニメの進化と魅力

「銃を持った少女」アニメの進化と魅力

銃を持った女の子には人を引きつける何かがあり、小さいジャンルながら新しい作品が現れるたびに進化しているようです。

アニメには、萌え、銃マニア、そしてアクションというジャンルの間に独特の交差点があり、新しい作品が生まれるたびに、痒いところに手を伸ばしてしまうように別の作品が思い浮かぶほど独特の雰囲気があります。
「銃を持つ少女」アニメといえば、『GUNSLINGER GIRL』(ガンスリンガー・ガール)や『魔法少女まどか☆マギカ』の一部のキャラ、最近の大ヒット作『リコリス・リコイル』、さらには『BLACK LAGOON』(ブラック・ラグーン)のような銃を持った大人の女性がヒロインの作品などが思い起こさせます。

その数は、ジャンルとして確立されるほど多くはありませんが、アニメファンに独特の刺激を与えるには十分なものです。では、この種の作品にはどのような要素があり、どのような魅力があり、なぜこれほどの衝撃を与えるのか、そしてこれらの作品群はどのように進化してきたのでしょうか?

 

 

なぜ少女なのか?

アニメで描かれるのは、剣や武術が一般的なところを、ガンアクションで表現する作品がたまにあります。そのような作品の中で、10代、20代の若者が主役の作品が少なからずあります。
視聴者の中には、特にアニメ初心者やこのニッチな分野を初めて見る人は、なぜそうなるのか、という疑問を持つかもしれません。

そもそも多くのアニメは、若年層の視聴者をターゲットにしているので、主役が若い世代に設定されているというのが明白な答えです。しかし、こうした銃モノの作品の場合、武器の扱いが機械的なレベルで不必要なまで凝ったものになっている場合があります。
銃のデザイン、銃のアニメーション、銃を使う際の一般的な戦術に関する事前準備や調査にどれだけの努力が払われているかは、これらの作品を見るだけでわかるはずです。

日本には厳しい銃規制がありますが、武器や軍事小説に熱中するオタクもたくさんいるため、エアソフト銃(プラスチック製で軽量のBB弾を使う、空気圧が低く射距離が短い空気銃で、スポーツや遊戯用として使われる)は大きな存在となっています。
なので、「戦術的でかっこいい」エアソフト銃プレイへの愛着の多くがこれらのアニメに感じられます。しかし、ちょっとした趣味的遊戯以上に、リアルさへのこだわりも、これらのアニメにはあるのです。
例えば、P90(ベルギーのFN社が開発した実弾銃。短機関銃の一種ともされる)を持った一人の中学生の女の子が、部屋いっぱいにいる大人達を蜂の巣にしてしまうような描写が、それに当たります。

このような軽い感じとシビアで重い感じのギャップが醸し出す一種のユーモラスな映像描写が、これらの作品が人によく記憶されている理由であることは間違いありません。
『GUNSLINGER GIRL』の最初の銃撃戦や、『魔法少女まどか☆マギカ』のほむらが持つ武器群、あるいは『リコリス・リコイル』の冒頭シーンを、ファンは決して忘れることはないでしょう。
これは、銃にまつわるアクションが作品に求められた場合、他のアニメよりもこうした「銃を持つ少女」アニメが、よりそうした需要に合致する傾向がある事を物語っています。

より大人の女性を例にとると、『BLACK LAGOON』のレヴィが事実上、アニメの銃ガールの金字塔であり、草薙 素子(『攻殻機動隊』)などの有名どころもその後に続くでしょう。
さらに、安藤 真裕(あんどう まさひろ)監督作品の『CANAAN』(カナン)のアクションには天才的と言える描写があり、安藤氏が『Under the Dog』の監督を任されたのは、そのためでしょう。『Under the Dog』は、このジャンルの実質的な最終形とも言えるOVAですが、失敗作でした。

 

 

少女だからいい

一見すると、このニッチ分野は、2つの異質な要素の衝突が人に忘れがたい結果を生んでいるように見えますが、このイメージの裏には、いくつかの象徴的な重さがあります。
まず、人は若さを無邪気さの象徴として見る傾向があります。だから、若い女の子に銃を持たせることで、無邪気さの象徴を転覆させ、固有の重みを持たせているのです。

物語的に言うと、若いガンマンが登場する物語は、この若い女の子の無邪気さの概念を利用する傾向があります。ただし普通の女の子ではなく、生まれながらにして殺人鬼になるよう訓練された孤児の女の子です。人ごみに紛れるには、「普通の女の子」だと思わせる以上にいい方法は無いからです。
しかし、記事を読んでいる人は想像するかもしれませんが、このようなストーリーは魅力的ではありますが、それゆえあまりにも簡単に女の子が性的対象化されてしまうのです。

1998年のスタジオアームスの『A KITE』(ア カイト)は、「銃を持つ少女」アニメが、数は少ないもののクールなアイデアを持ちながら、その楽しみを奪ってしまうほど、センスに欠ける出来になってしまった残念な例です。
この作品は、「孤児の少女が殺し屋」というありがちな前提で、彼女はもっぱら性犯罪者を暗殺しているように見えます。彼女を扱う大人が未成年の主人公を自分の性欲の捌け口にさえしていなければ、作品としては問題なかったはずです。

これはかなりお粗末な話であり、これ以上長く考える価値はないでしょう。ありがたいことに、これは非常に悪い例のひとつに過ぎませんが、前提がどのように歪められるかを見れば、ダメージはすでにあるようなものです。
しかし、一般的に、その他の作品はそのような性的搾取に埋没することはなく、ほとんどの場合、このニッチな分野のファンは、他の何よりもガンプレーに興味があるように思われます。

 

 

このニッチ分野はどのように進化してきたか

この種のアニメが登場すると、必ずと言っていいほど印象に残ります–ただし間違いなく、この種のアニメが見たくてたまらない非常に特定の視聴者に限ったものではありますが。
しかし、これほどまでにニッチであり続けている理由は、おそらく、これらの物語が持っている可能性を、必ずしも十分に発揮できていないからでしょう。この分野はジャンルと呼ばれるほど作品数が多くないので、ストーリーのあらゆる面において、良い可能性が実装できた作品はごくわずかなのです。

『魔法少女まどか☆マギカ』のガンプレイは、たしかに印象に残るものではありましたが、描写は全体のほんの一部でしかありませんでした。『CANAAN』のように魅力的な作品もありましたが、かわいい女の子と彼女の持つ銃が魅力的だからといって、それが必ずしも面白い物語を生むとは限らないのです。
「銃を持った少女」のアニメは確かに雰囲気を持ってはいますが、素晴らしい物語は雰囲気だけでは成り立たないということです。

おそらく、だからこそ、『リコリス・リコイル』の成功は、この分野がジャンルに昇格するのに大きな恩恵となります。この分野の他作品に比べて成功したというだけでなく、『リコリス・リコイル』は2022年に最も評価されたアニメの1つであり、A-1 Picturesのここ数年で最高のオリジナル作品の1つとなりました。
オリジナルアニメがこのように大ヒットするのはいつでも喜ばしいことですが、さらに素晴らしいのは、それがこの作品の監督のデビュー作でもあったことです。

『リコリス・リコイル』は、足立 慎吾氏が初めてテレビアニメの全編を通して監督した作品ですが、彼は初心者とは程遠い存在です。彼は長年、アニメーターやキャラクターデザインとしてこの業界で働いてきました。
『ソードアート・オンライン』のシリーズ初期から2019年の『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』まで、ほぼすべてのシーズンで総作画監督とキャラクターデザインを担当し、映画『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』にも参加しています。

あるスタッフインタビューでは、足立氏が「これまでのやり方とは違うこと」的な発想で作品を作り上げたこと、アニメーターとして長年温めてきたアイデアの集大成として監督を任されたと考えていることを語っています。
また、原案者であるアサウラ氏とともにストーリーを執筆し、外見的な魅力だけでなく、視聴者が心から共感できるストーリーを作りたかったと強調しました。


出来上がった原作を見てみると、自分が目指す物語の迫力やエンターテインメント性が欠けていました。「かわいい女の子とガンアクション」というジャンルやストーリーは、これまでにもたくさん作られてきたので、「ストーリーからの革新」を考えるのは難しかったのですが…。
だから、最初から 「どうしたら視聴者が最終回までついてきてくれるのか?」ということをメインに考えて設定したんです。

足立 慎吾:『リコリス・リコイル ヒロインアーカイブ 』(一迅社より出版)より

『Under the Dog』のようなプロジェクトが軌道に乗らなかったのに対し、『リコリス・リコイル』は銃愛好家も満足できる内容を提供し、同時に物語としてもそれ自体で成功しました。アニメには、それ自体がジャンルになるようなニッチ分野がまだまだたくさんあります。
『ジョン・ウィック』(2014年に公開されたアメリカ合衆国のアクションスリラー映画)がアクション映画の根幹を揺るがしたように、「銃を持つ少女」アニメに必要だったのは、その実力を示すたった1回のチャンスだったのかもしれません。
最後に、このジャンルから次に生まれるものが、より優れたものであることを期待しています。

 

 

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