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2000年代半ばのアニメ大崩壊の原因は?

2000年代半ばのアニメ大崩壊の原因は?

2000年代半ば、(欧米の)アニメ市場は大暴落に見舞われました。そこに至る経緯を紹介します。

ハイライト

・アニメ業界は2000年代初頭、市場が飽和状態になり、質の高い作品や凡庸な作品が氾濫した結果、余剰超過となり、売上が悪化したため、大崩壊しました。

・「デジサブ(ファンによる字幕)」とオンライン海賊版の出現により、ネット技術に精通したティーンエイジャーが無料でアニメにアクセスできるようになり、DVDやマンガの売上はさらに減少しました。

・2008年の世界的な経済不況はアニメ業界にさらなる影響を与え、大手小売店はアニメ売り場を縮小し、企業は倒産や縮小を余儀なくされました。
しかし、新しい会社の出現や、Crunchyrollのようなストリーミングサイトとの契約により、業界は回復することになります。

ストリーミング配信、劇場公開作品のヒット、そしてデジタル革命に驚くほど強いことが証明されたブルーレイ市場のおかげで、アニメ市場がかつてないほど堅調であると、レポートできる事ことは我々にとって喜ばしいことです。
しかし、現在の状況が常にそうであったわけではないことを忘れてはなりません。実際、アニメ業界(特に欧米)が市場で大打撃を受け、正真正銘の大暴落が起きたのは、ほんの10年ちょっと前のことなのです。

この崩壊は非常に深刻で、アニメ業界の主要プレイヤーが倒れ、大手小売店にとってアニメというメディアは主流ではなくなり、結果、多くの人々がこの業界で職を失う事に繋がりました。
さらにクレイジーなのは、この事態を招いた要因はひとつではなかったということです。まるでジェンガパズルのように、あらゆるものの上に一連の大きな出来事が積み重なっていった結果だったのです。
この崩壊の原因は何だったのか? この時期に起こったすべての出来事について説明していくことにします。

 

 

アニメのヒットが招く超飽和

2000年代初頭に欧米でアニメ人気が著しく高まったため、多くの配給会社は快調なペースで成長している市場に、更に作品をリリースするため、はるかに多くのタイトルをライセンスし始めました。
問題は、アニメが本当にニッチだった頃、各社は限られた資金のためにライセンスする作品に(品質等に)細心の注意を払っていましたが、資金が増えるにつれて、品質管理はあまり重要ではなくなっていった事です。

そのため、市場には質の高い作品と凡庸な作品が混在することになりました。特に問題だったのは、アニメのDVDがしばしば映画『ロード・オブ・ザ・リング』(ファンタジー実写映画)(あるいは『24 -TWENTY FOUR-』(アメリカの実写ドラマ)のシーズンセット)よりも高い価格だったことです。
長い目で見れば割高になりかねない作品に手を出す前に、消費者が作品の初期のものをレンタルできればよかったのですが、良い選択肢はあまりありませんでした。
つまり、すべてのタイトルが好調だったわけではなく、流通業者だけでなく小売業者も、売れない余剰在庫を抱えてしまうことになったのです。

 

 

アニメファンは七つの海を航海する

アニメ作品をサンプル試聴する機会が減る中、新たなデジタル革命が「デジサブ」の登場によってもたらされます。デジサブとは、基本的にインターネットで配信されるファンサブのことです。
ファンの集会でコピーして取引する必要があったファンサブ(コピーして見るたびにビデオテープの品質が劣化する)とは異なり、デジサブはインターネットでダウンロードすることができました(『NARUTO-ナルト-』のような作品は、こうしたサイトで特に人気がありました)。

デジサブを、購入に踏み切る前に作品を「試してみる」方法として捉えられれば良かったのでしょうが、Crunchyroll(詳細は後述)のように使いやすいデジサブサイトが、作品全体をアップし始めると、話が変わってきました。
ネット技術に精通したティーンエイジャーが、基本的に無料で好きなだけアニメを手に入れられることに、すぐさま気付いたからです。
結果、DVDやマンガの売上はさらに減少していくことになります(さらに悪いことに、日本のアニメ業界は基本的に何年もこの問題を無視しており、アニメを盗むという行為が最近のパスワード共有のように広く受け入れられてしまいました)。

 

 

世界、経済不況に見舞われる

当サイトでは政治や経済の一大事を取り上げることはほとんどありませんが、当記事に関連するため2008年の世界的な経済不況について話す必要があります。2008年の経済不況(一般に世界金融危機[GFC]または大不況と呼ばれる)は、1930年代の世界大恐慌以来、最も深刻な金融危機でした。
危機の発生には複数の要因が関係していましたが(この記事で紹介しきれないほどです。)、主な原因はリーマン・ブラザーズの倒産と住宅バブルの崩壊でした。

その結果、世界各国が不況に見舞われ、大規模な解雇、緊縮財政、大幅な景気縮小に見舞われます。不況からの回復は長引き、その結果、市場全般が苦境に陥りました。
つまり、多くの小売業者が不況の影響を受け、Media Play、Sam Goody、Suncoast Video、Border Booksといった企業がその影響を受けました。この4社は、毎年アニメやマンガの購入額の35%が消えていったと言われています。

同様に、Wal-MartやBest Buyのような企業も、アニメの売れ行きが鈍ったため、アニメ売り場のスペースを縮小しました。上記のような要因が重なり、かつて米国アニメ業界の大手だったアニメ配給会社Geneon、Central Park Media、 ADV Filmsの倒産や縮小が相次ぎ、Funimationもthe Navarre社に売却されました。
これは大きな転換期であり、アニメが以前のように、ほんの一握りのタイトルしか対応されない、真にニッチな商品に戻るのかどうかという、深刻な疑問が投げかけられたのです。

 

 

アニメの巻き返し

すべての崩壊がそうであるように、次の日には太陽が昇るものです。アニメ業界も(他の多くの業界と同様に)困難な事態を修復しました。
いくつかの会社は倒産しましたが、Sentai FilmworksやEleven Artsのような新しい会社も設立されました。また、上で紹介したCrunchyrollという海賊版サイトを覚えているでしょうか?
日本のアニメ業界が何年もオンライン海賊版を無視していた後、Crunchyrollは彼らと取引を行い、ファンが合法的にアニメをストリーミング視聴できる最初のサイトの1つになりました。今日、彼らはアメリカ最大のアニメ会社になっています。

そう、アニメ業界は苦境に立たされました。不景気はどの業界にも時々はあるものですが、アニメ業界のは、くしくも世界中の多くの人々が苦しんでいた時と同時期でした。
ありがたいことに、アニメ業界は立ち直り、今では以前よりも強くなり、2008年よりも多くのアニメファンがいます。最終的には(マルコム博士(映画『ジュラシック・パーク』登場人物)の有名な言葉のように)「生命は道を見つける」ものなのです!

 

 

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