2人のティーンエイジャー、いくつかの秘密、1つの解決策。
『君は放課後インソムニア』第1話は、眠れない2人の高校生が、結果的に互いを知り合うことになる物語です。
このエピソードがどうだったのか、このレビューで見てみましょう!
『君は放課後インソムニア』第1話 概要
英語版タイトル『Insomniacs After School』は、原版タイトル『君は放課後インソムニア』、または単に『君ソム』は、『東京リベンジャーズ』や『コタローは1人暮らし』などのアニメで知られているスタジオ、ライデンフィルムによって制作されたロマンスとドラマアニメです。
この作品は、オジロ マコトによるマンガが原作です。このエピソードは原版では『君は放課後インソムニア』第1話です。
監督は、『アルスラーン戦記』のプロダクションマネージャーや『ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。』の演出を担当するなど、アニメ界では比較的新人の池田 ユウキ氏が務めています。
ー 『君は放課後インソムニア』第1話レビュー ネタバレなし ー
誤解を生む予告編
作品の予告編が信じさせるのとは逆に、この作品が語ろうとする物語において、死は大きな役割を果たすことはありません。確かに、登場人物たちが交わす会話には、死の要素が存在していました。しかし、それはこの作品がベースにしているキャラクターには全く関係ないことでした。
それが、物語の後半で要因にならないとは言い切れませんが、しかし、今のところ、この作品は宣伝文句にあるような鬱屈とした物語ではないので、安心してください。
むしろこれは、仲間との絆や、社会から切り離されることで得られる不思議な感覚を描いたものです。私や作品を誤解しないでほしいのですが、主人公たちが苦しんでいる病的な問題を美化しているわけではありません。
2人の登場人物のうち、少なくとも1人、つまり中見 丸太(なかみ がんた)(少年の方です:名前に慣れるのに時間がかかる人のために説明)にとって、その病状がどれほど人生を狂わせるものだったかを見事に描写しています。
彼は、この作品のPOV(Point Of View:視点)キャラクターでもあり、つまり彼の目的性から物語が語られることになり、早い話が主人公というわけです。
彼は主人公ではありますが、すぐにわかるような際立つ何かがあるわけではありません。彼は普通の少年ですが、本人を衰弱させる病状に苦しんでおり、そんな彼にとって社会的な交流は地獄のようなもので、それに対処する方法を、いまだ見つけることは出来ていませんでした。
しかし彼は、自分にできることは何でも一生懸命やろうとするので、少なくとも尊敬に値する人物だと思います。作品の放送期間中に、どういう過程で現在の彼に至ったのか、そもそも何が原因でその病状になったのか、そんな彼のキャラクターがどんな風に成長していくのか、これらを見ていく事は興味深いことです。
作品名がこの記事のいたるところに貼られているので、意図的に避けようとしていたのですが、2人の主人公が苦しんでいる問題は不眠症です。今、眠ろうと頑張るのではなく、起きていようと常に頑張ってる私としては、この不眠症問題にはあまり共感できないのです。
しかし、この作品が描く不眠症の描写は、不眠症がいかに社会生活や私生活を台無しにする可能性があるかということを私に教えてくれましたし、他の人たちにも、同じように伝わる事を願っています。
もう一人の主人公である曲 伊咲(まがり いさき)も、中見以上に個性がないように見えるので、かなり頑張らなければなりません。彼女も不眠症に悩まされているのに、いたって普通で、それはそれで評価されるべきことです。
このコンビは今は、相互作用的な何かが起こるという気配は無いですが、まだ第1話が終わっただけです。物語が発展し、良い方向に進むようになれば、こういう相互関係の有無が実際の不満になるのはその時でしょう。
『君は放課後インソムニア』第1話は、作品の世界観をうまく築いた、きちんとしたオープニングでした。
評決
『君は放課後インソムニア』第1話は、予告編で予想していたのとはかなり異なる種類のストーリーを描こうとしている作品で、良いスタートでした。これは確かなスタートであり、続きを待つのがつらいほどです!
全体 3.5/5.0